どのような自動車でも同じなのですが、燃料を有効に使うという事は
(=低燃費化)、いかに「発生した運動エネルギーを熱エネルギーに変えないか」
という事が重要になります。
※もうひとつは「燃料をいかに有効に運動エネルギーに変えるか」ですが
 それはまた後日

運動エネルギーというのは、車が進む力です。

エネルギー保存の法則 と言うものがあって、すごく大雑把にいうと
「エネルギーは形を変えるけど総量は変わらないよ」という事です。
100のエネルギーが、熱になったり運動エネルギー(速度)になったり位置エネルギー(高さ)に
なったりしますが、それらを全部足すと、やっぱり「100」になる、という法則です。

自動車はガソリンを爆発させて、運動エネルギーと熱エネルギーに変えます。
加速し、速度を維持するためには、この運動エネルギーが必要で、これを
出来るだけ有効に「運動エネルギーのまま」使う事が大切です。

速度が出た後、アクセルを放すと慣性力で車は進みます。
この状態だと、運動エネルギーはほとんど奪われず、有効に使われます(=燃費に良い)。
ところが、ブレーキを踏むと車は早く止まります。運動エネルギーが失われるのです
(=燃費に悪い)

では、その運動エネルギーはどこに消えたのでしょうか?
保存の法則で総量は変わらないので、運動エネルギーが何かに変化したはずです。
・・・・それは「熱エネルギー」です。

ブレーキを踏むと車が止まるのは、ブレーキパッドなどの摩擦により止まります。
摩擦は熱を発生させます。この摩擦熱が「運動エネルギー」が変化したものです。

従って、ガソリンを爆発→熱ENGと運動ENGに→ブレーキ→(摩擦)熱ENGに
変化しており、せっかく取り出した運動ENGが空気中に熱として消えていきます。
勿体ないですね。※1

なので(交通の流れを妨げない範囲で)、せっかく作った運動エネルギーを無駄に
しないように、ブレーキは踏まず(熱に変換させず)、慣性力を使って進みましょう。

一番有効なシーンは「遠くの信号が黄色に変わった」ときです。
その時は(後続車などの状態を確認しながら)アクセルを放して、ゆっくりと減速して
信号まで進みましょう。運動エネルギーが有効に使われています。
また、下り坂も同じようにアクセルをあまり踏まずに、落下力を上手く使って
速度を維持しましょう※2

せっかく作った運動エネルギーを無駄なく使うのが、低燃費ドライブのコツと言えます。
(・∀・)

※1 これらの無駄を抑える為に、最近の車では回生ブレーキ(別のエネルギーとして
   溜める)などが装備されています。イースではアクセルを放したとき(エンジンブレーキ)と
   ブレーキを踏んだときに、バッテリーの充電が行われています。
   他の軽自動車などでは、回生エネルギーを助手席の下にあるリチウム電池に充電する
   タイプもあります。
※2 この場合は「運動エネルギー→位置エネルギー→運動エネルギー」と再変換しています。